次のとおりミャンマー視察をいたしましたのでその結果を報告します。

 

  • 目的

アジア最後のフロンティアと称されるミャンマー。メディアでの露出度が増える中、AEAN地域で働く日本人からの注目度も非常に高く、ミャンマーに関する情報も頻繁に聞かれるようになりました。そこで、今回は、ミャンマーの技能実習生面接会を通し、ミャンマー人の気質やレベルを直接感じ取り、また、ミャンマーの文化や生活、ビジネスに触れる内容で調査を行う。

  • 場所

ミャンマー連邦共和国 ヤンゴン市内およびティラワ地区

  • 期間

自 平成27年2月4日(水)

至 平成27年2月7日(土)

 

  • 視察者(順不同)

 

西川幸廣(W・P・A株式会社)

井上郁夫(有限会社井上興産)

田中昭信(株式会社イシモク・コーポレーション)

古賀幸子(株式会社イシモク・コーポレーション)

尾﨑史道(海洋ゴム株式会社)

後藤鉱一郎(株式会社タイセイプラス)

小島利夫(いその株式会社)

馬場宣芳(TGAP株式会社)

 

  • 行程表(名古屋出発組以外は、現地ホテル集合、現地ホテル解散)

 

月日 都市名 現地時間 交通機関 行程
2月4日(水) 名古屋成田ヤンゴン 07:5511:4517:15 NH338NH913 中部発成田乗り継ぎ着後、ホテルへ
2月5日(木) ヤンゴン市内 終日 専用車 日本語学校G&C社にて学校見学及び実習生面接午後、ヤンゴン市内視察
2月6日(金) ヤンゴン市内ティラワ地区ヤンゴン 午前午後20:40 専用車NH914 JETROでミャンマー経済についてレクチャー住友工業団地視察ヤンゴン発
2月7日(土) 成田 06:45 成田着後解散

 

 

  • 視察概要

<2月5日(木)日本語学校G&C社にて、学校見学及び実習生面接>

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・午前8時にホテルを出発し、25分程でG&C社に到着。早速、井上興産社長の井上郁夫様による面接会を実施(女性3名希望)。

・今回は、一般応募者15名の内、4名を選出、日本語学校G&C生徒7名の内、6名を選出、総合計10名を候補者とする。

・送出し機関HKK社にて、予め実施された知能、計算問題、クレペリンテスト、履歴書をもとに面接を実施。

・10名中6名が大学卒、4名が大学在学中(休学含む)、1名高卒と、高学歴が集められる状況。

・高学歴であるが、ミャンマーでは、就職口が無く、海外での就労は、一般的で抵抗がない模様。

・すでに日常会話程度の日本語が話せる候補者が、8名おり、また、簡単な英語は使えることから、コミュニケーションの不安は払拭された。

・日本語学校では、3ヶ月程度しか通っていないが、日本語での日常会話ができるのは、日本語とミャンマー語の文法が同じ事により、覚える速度が中国人より勝っていると判断できる。

・マレーシアへの実習生経験者もおり、そこでの環境から、外国人との協同生活も可能と思われる。

・学校在学中の男子生徒にも面談。日本語による自己アピールや、仕事の内容、趣味などの会話をし、一部の生徒では、英語によるスピーチや、民族武芸を披露してもらい、ミャンマー人のやる気や人柄の良さを感じる。

・就労している人達の給料は、1万円~2万5千円レベルで、日本の給料との差は、歴然としており、技能実習生としての来日の魅力は十分あると判断されます。

・人材レベルが高く、悩んだあげく、3名を選出。

・中国の現状レベルの実習生と比較すると、ミャンマー人実習生候補者のレベルは高く、切り替える必要性を感じた面接会でした。

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<ヤンゴン市内視察>

・仏教の国ミャンマーで、無数にある寝仏のうち、チャウッタチー寝釈迦仏を視察。全長60Mの巨大な寝仏様です。足の裏には108個の煩悩が描かれており、自分を見つめ直す機会ともなりました。

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・ボージョーアウンサンマーケットで、ミャンマーで取れる宝石や金、民芸品、衣類や食品などの価格調査。世界基準の単価と、現地基準の単価のものが入り交じっており、低価格品と高級品との価格差に我々の感覚がついて行けない状況でした。

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・シェダゴンバコダを視察。ここは、ヤンゴンのシンボルで有り、いざという時には、自分の命を盾に、このシェダゴンバコダを守ると言う場所であり、ミャンマー人の信仰の深さに驚きました。自分の生まれた曜日に守護神がおり、そのほこらに花を供えたり、像に水を掛けたり、地面に座り込んで熱心にお祈りをしていました。

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<2月6日(金)JETRO会議及びティラワ工業団地視察>

<JETROヤンゴン事務所>

海外投資アドバイザー牛腸純和氏によるミャンマー概況説明があった。

ミャンマーは、人口5200万人+αで、仏教徒90%、国軍独裁政治から民政移管後3年が経った国であり、まだ地方では、戦争をしている地域も存在する(2月6日停戦予定)。電力も乏しく、国民の30%しか、電力供給を受けていない国である。

現在、日系企業の直接投資は、200社(日本商工会加盟)になり、在留邦人も1000名います。

今後はITソフトウエアー開発や、委託加工生産を中心に進出が進む。

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ミャンマーには以下の優位性、課題がある。

-優位性-

・低賃金の豊富な労働力

・5千万人口の潜在市場

・日本向け特恵関税

・高い識字率と英語力も期待できる労働市場

・豊富な資源

・地理的重要性、優位性(対中、印、アセアン、欧州、中東へ)

-課題-

・インフラの未整備

・金融システムの未成熟

・法令と運用システムの未整備

・裾野産業の未発達

 

<ティラワ工業団地>

MJTD梁井社長(住友商事所属)による対応

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ヤンゴン近郊には、20以上の工業団地があるが、外資対象は、2箇所しかない。そのうちの1カ所が、ティラワ工業団地である。ここは、日本政府指導の下、住友商事、三菱商事、丸紅が出資をする。

最大の特徴は、ヤンゴンから20km 約1時間のロケーション。経済特区法に基づく投資優遇措置を受けられる。また、ミャンマーの安い労働力を使え、周辺には、大学も多く、人材を集めやすいロケーションとなっています。

この工業団地では、他のアジアでの工業団地と同じく、電気、水道、排水などのインフラを利用でき、また、大統領直下の組織により、各種許可申請がスピーディーに行えるワンストップサービスが利用できる。近々、自動車分野では、スズキ自動車の進出が予定される。

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